環境問題の解決支援として、情報空間と生態系が分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理を実現するシステムを研究している。現在、人間の生活圏の拡大や自然開発の活発化に伴い、絶滅危惧種の増加や有害鳥獣類による農作物被害、放射能汚染など人間社会の利益と生態系の保全との衝突が深刻な問題となっている。人間が生態系に物理的に接触すれば生態系の破壊は不可避であり、生態系保全には物理的な分断がもっとも効果的な手法である。そこで本研究ではアニマルウェアラブルやユビキタスセンサを統合し、遠隔地自然環境とユーザーの間を物理的に分断したままで、全体として高度な情報処理を実現するインタフェースを実現する。


被曝の森のライブ音 | Radioactive Live Soundscape
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1.手がかり情報のやり取りでつながり感を醸成するアニマルコンピュータインタラクションの研究
本研究は“自然との一体感“を科学技術により取り戻すこれまでにないインタフェースデザインの研究である。人間が生態系に物理的に接触すれば生態系の破壊は不可避であり、生態系保全には物理的な分断がもっとも効果的な手法である。しかし、自然遺産や天然記念物は観光産業や農林業と密接に結びついおり、完全な分断も不可能である。本研究ではリモートセンサを統合し、遠隔地自然環境とユーザーの間に一体感を創出するインタフェースを提案する。物理的に分断された遠隔地実空間の森林のサウンドスケープと、都市ユーザーの間に、実時間な情報的な接触(インタラクション)を生む機構を研究開発する。


2.生態相互作用と融合した省電力型な動物装着型センサ・ネットワーク機構の研究
従来の野生動物調査用の装着型環境センサノードは、生息地特有の電源・情報インフラの制限やセンサ搭載可能重量の限界からノード間通信を長期的に行うことが困難であり、調査可能なエリアが極めて限られていた。そこで調査対象である野生動物群の生態相互作用に着目し、省電力なセンサ・ネットワーク機能を実現し、さらに鳴き声センシングまで踏み込んだ機構の実現を目的とする。これにより「野生動物自身が鳴き声センサを持ち歩き、単独行動時に取得したデータを、集団行動時に省電力で共有・回収するシステム」を実現する。福島第一原子力発電所周辺で実証実験を行い、高線量地帯周辺における野生動物の生態・被曝モニタリングを支援していく。


3.野生動物装着センサ用の時空間情報補正機構の研究
野生動物装着型センサノードから得られる記録に着目した場合、正確な時刻・位置情報は期待できない。装着可能な重量制限から、内部時計や慣性航法記録装置はない。さらには森林環境の地表付近では衛星から測位信号・電波時計信号も入りにくい。障害物(植物や動物自身の体)が装着型アンテナを遮るからである。そこで時刻・位置情報の欠損時の補正手法やシステム全体の長寿命化が重要となる。本研究では森林に生息する野生動物にマイクを装着することを考えた。衛星信号が入りにくい地表付近でも、環境音には基準になりえる信号(エンジン音)が含まれるからである(飛行機位置情報はリアルタイム公開情報)。これらを実現するため、環境音を用いて動物装着型センサでシンクノード上と同等の時刻・位置情報取得を行う補正手法について研究開発を行う。



講師 / さきがけ研究者
人も動物も通信端末を持ち歩き、いつも互いを身近に感じられる情報社会の実現を目指している。SE職を経て現職。好きな動物は表情豊かなノラネコ。
工藤 宏美
特任研究員
生物の行動と個性に着目して、何であるのかどうしてあるのか調べる研究をしています。ミクロからマクロまで生物を観察して現職。好きな動物はオカピ。


土橋 直子
学術支援員
準備中
学術支援員
デジタル情報を用いて、様々な背景が混在するメディアづくりを目指している。科学館の展示スタッフを経て現職。好きな動物はマヌルネコ。


平川 久美
事務補佐員
研究室の予算管理・出張手続き・書類作成などの事務処理を行っている。都内病院事務職を経て現職。好きな動物はオランウータン。


濱 泰一
客員研究員
アブデルガワ サラ エルタハイ
客員研究員
須田 真実
協力研究員
増本 泰斗
協力研究員


高屋 永遠
協力研究員
ビクトリア モルダー
客員研究員
津田 道子
客員研究員




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